研究の概要(~平成21年度)
研究テーマ
「生活の視点でかかわりを生かした授業の創造」(2年次)
「かかわりを生かして力をのばす授業の工夫」(技術分野)
生活の視点でかかわりを生かすためには、論理的な思考などの資質をはぐくむだけでなく、様々な場面で人やものとのかかわりを生かしていかなければならない。学ぶ力、考える力などをどのように生かすかという視点で、経済性や現実性などを加えて考えると、技術・家庭科は、それらを生活にかかわらせるために重要な位置を占めていると考えられる。したがって生活の視点でかかわりを生かした授業が必要となる。そこに実践的・体験的な面からかかわりを見いだす活動を取り入れることで、新学習指導要領の目標である生活に必要な基礎的・基本的な知識及び技術の習得を通して、生活と技術とのかかわりについて理解を深め、進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てることができると考えた。また、生活について未来への見通しをもち、勤労観や職業観も含めて考えていく視点も必要ではないかと考えた。そして、それらのかかわりを生かしていく中で、生徒の意欲を高めていく学習を組み立てることが課題であると考え本主題を設定した。
技術分野では、かかわりを生かして力をのばす授業の工夫という副題で研究を進めていく。本校で研究を進めてきた「かかわり」を生かすためには、かかわりを生徒自ら発見できることが必要不可欠である。そのためには、単に情報を集め、それを利用するだけでなく、集めた情報をもとに、学習者自らが利用方法を工夫し、生きた知識として再構成していくことが必要である。これらの力を「かかわりを生かしてのばす力」と本研究では位置づけ研究を進めたいと考えている。また、学習したことを書いたり、考えたり、まとめたりすることや、それらを他者に伝える力をはぐくんでいくことで、より効果的な学習成果を上げられるのではと考えている。
新学習指導要領では、ものづくりを支える能力などを一層高めるとともに、よりよい社会を築くために、技術を適切に評価し活用できる能力と実践的な態度の育成を重視し、目標や内容の改善を図るとされている。また、ものづくりを支える能力などの育成を重視する視点から、創造・工夫する力や緻密さへのこだわり、他者とかかわる力(製作を通した協調性・責任感など)及び知的財産を尊重する態度、勤労観・職業観などの育成を目指した学習活動を一層充実する。また、技術を評価・活用できる能力などの育成を重視する視点から、安全・リスクの問題も含めた技術と社会・環境との関係の理解、技術にかかわる倫理観の育成などを目指した学習活動を一層充実する、と書かれている。
本研究は、上記のものづくりを支える能力などの育成を重視する視点から、創造・工夫する力や緻密さへのこだわりを追求するために、自らの行動結果を観察、記録、考察させていくなかで、「学びにつながるエラー」から学ぶ姿勢を育て、 「かかわりを生かして力をのばす」ことを目標とする。